中学部では、各教科(国語、社会、数学、理科、英語、音楽、美術、保健体育、技術・家庭)と、特別の教科道徳、総合的な学習の時間、特別活動、自立活動を行います。
治療のため、学習に制限が生じる場合もありますが、時間を有効に活用し、ポイントをしぼって学習方法を工夫して充実した授業になるよう心がけています。
令和6年度 中学部学部目標
(1) | 医療・家庭及び教員間の連携のもとに、生徒の心身の状態や学習状況を把握し、一人一人に適した学びの保障を行うことで、確かな学力を育成する。 |
(2) | 一人一人の多様な状況に応じて環境を調整し、生徒が心身の状態と向き合うことができるように、病状に応じて自己管理する能力を育成する。 |
学習の様子
※令和5年度の様子
英語科 「ALTに自己紹介をしよう」 自走式テレプレゼンスロボットtemiを活用して遠隔授業を行いました。 |
美術科 「名画を見て感じたことを伝えよう」 教科書に載っている名画を見て、いろいろなことを想像できました。 |
家庭科 「ミネストローネを作ろう」 医大病院近くのパンダハウスを利用して調理実習を行いました。 |
中学部の学習の様子
令和6年度 キッズラボ
9月4日(水)に、福島県立医科大学 総合科学教育研究センター 教授 開 康一 様を講師としてお迎えし、中学部体験活動「キッズラボ」を実施しました。病棟・学習ルームでの対面の他に、各病室や自宅からオンラインでつなぐなどして、中学部生徒全員が参加しました。
今回のキッズラボでは、「音 ~音波の視覚化~」をテーマとし、身近な音についての講義を受け、実験を行いました。
理科は「物理学」「化学」「生物学」「地学」の4つの分野からなり、大学ではより専門的に学びます。今回は開先生の専門である「物理学」の中でも「波動」のひとつである「音」について、スライド資料をもとに説明を聞きながら学ぶことができました。
さらに、普段は耳で聞く身近な「音」の波形をとり、高い音や低い音、大きい音や小さい音の違いを「波形の違い」として視覚化して目で見ることができました。
キッズラボ終了後には、生徒から 「音が振動で伝わっているのが不思議だと思った。」「大学生の授業もある中、忙しいはずなのに、来てくれてありがとうございました。」など感想がありました。普段の授業とは異なる貴重な経験、学びとなったようです。
今回、授業をしていただきました開先生には、心より感謝申し上げます。
ふくしま海洋科学館ゲストティーチャー
6月11日(火)に、ふくしま海洋科学館(アクアマリンふくしま)からゲストティーチャーをお招きして中学部の体験活動を実施しました。
アザラシのはく製をはじめハリセンボンやイトマキフグ、ウマヅラハギにアナゴやマダイ、マンボウの標本、セイウチの牙、カジキの吻(ふん)など、普段目にすることの少ない生物標本へ実際に触れ、細部を観察しながら話を聞きました。
全長1メートルほどのマンボウは大人か子どもか・・・との問いに対して、多くが「大人」と答えるなか、大人のマンボウの実寸大シートを広げると・・・なんと、教室と同じくらいの大きさ。これには、各所から驚きの声があふれました。
後半は、「生物は優しく扱おう。今日連れてきた生物は、みんなを傷つけないよ。」と、丁寧に説明を受け、生きたナマコ、ヒトデ、ウニに触れました。
トゲで覆われたウニから細い糸状のものがでており、実は先端に吸盤のある「あし」であること。指を近づけると、そのあしが指に吸い付こうと追いかけてくることを体験する生徒もいました。
今回は、校内を拠点とし、病棟・自宅をオンラインでつないでの実施となり、病棟にいる生徒はテレプレゼンスロボットkubiを遠隔操作して参加しました。ゲストティーチャーへお辞儀をしたり拍手を送ったり、マンボウの実寸大シートを見上げたり・・・と、まるでその場で参加しているようでした。終了後には、ゲストティーチャーが標本とともに病室を訪問。袋越しに標本に触れたり、直接質問したりすることができました。
限られた時間ではありましたが、活動中は、終始生徒からの質問や歓声が途絶えることなく、充実した学びのひとときとなりました。
実施後、生徒からは、驚いたことや面白かったこと、勉強になったこと、そして何より、貴重な体験をさせてくださったゲストティーチャーへの感謝の言葉がたくさん聞かれました。
来校いただきましたゲストティーチャーのお二人には、心より感謝申し上げます。
諸橋近代美術館オンライン鑑賞教室
2月28日(水)中学部美術の学習でウェブ会議システムを活用し、病室、学習ルーム、一時退院中の自宅から諸橋近代美術館(耶麻郡北塩原村)のオンライン鑑賞教室に参加しました。
諸橋近代美術館からの事前課題に沿って、PJクルックの「グリーンドア」について身近な人に伝える手紙を書きました。生徒たちは友達や家族に向けて、「まるで自分がドアを開けているような不思議な絵」「カラフルなのに暗い」「猫が誘っているようだ」「人がいるのに手紙も新聞も取らないのはなぜ」など様々な感想を交えた手紙を書きました。当日は、この手紙を基に全員で対話型鑑賞をしました。生徒たちは友達の意見に共感したり、自分では気付かなかった見方や感じ方に驚いたりしながら意見交換する様子が見られました。活動を通して「みる」ということの難しさ、奥深さなどを体感しながら、美術鑑賞に対する新たな見方に加え、他者理解も深めることができました。
今回の鑑賞教室を通して、鑑賞活動の楽しみ方、美術館や美術作品、学芸員の仕事に対する興味関心をより一層高めることができました。
PJクルック《グリーンドア》公益財団法人諸橋近代美術館蔵 ©︎PJ Crook 2024
960-1247
福島市光が丘1番地
県立医科大学附属病院内
電話 :(024)548-2541
FAX:(024)548-0606
E-mail:sukagawa-sh-idai@fcs.ed.jp